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元FBI長官が設立した法律事務所がTetherの財務調査を実施

Tether Ltd.は、自社が発行する暗号通貨が米ドルによって裏付けられていることを明らかにし、投資家を安心させるために、元FBI長官Louis Freeh氏が共同設立者として名を連ねる法律事務所に財務調査を依頼し、その結果25億5,000万米ドルの銀行預金の存在が確認された旨を発表した。

Tetherの法律顧問によると、法律事務所であるFreeh Sporkin & Sullivan LLPは正式な監査を行ったわけではないが、Tether が利用している2つの銀行口座に数週間アクセスすることができ、6月1日の時点でこれらの口座に預け入れられていた金額のデータを分析したという。同法律事務所とのやり取りを担当していたTetherの重役によると、その額は、その日に流通していたTetherデジタルコインの全額とほぼ同等の25億4000万ドルであった。

Tetherと米ドルの交換比率は1対1であるため、これらの金額の数値は近似している必要がある。それにより、暗号通貨トレーダーは、保有しているその他の通貨を、安定したデジタル通貨(ステーブルコイン)に容易に交換することができる。会計事務所Friedman LLPが昨年、今回の調査と類似した財務分析を行っているが、それによって懐疑主義者達の疑念が解消することはなく、Tether は現金が実在しないという憶測に見舞われてきた。1月のBloomberg Newsでは、12月にTetherが米商品先物取引委員会(CFTC)に召集され、状況調査を受けたことを報告している。

「結論として、監査を受けることはできませんでした。」と、Tetherの法務顧問Stuart Hoegner氏は火曜日の電話インタビューで語っている。大規模な会計事務所にとって暗号通貨市場はまだあまりにも新しすぎるため、デジタルコインを提供するクライアントの受け入れを検討することすらできないからだという。

同氏はさらに、こうも述べている。「4大会計事務所にとって、このレベルのリスクは受け入れ難いもののようであり、」「(したがって)次善策を選択したということです。」

FSSは水曜日に発表されたレポートで、Tetherには内緒で6月1日を選択して分析を行ったことを明かしている。Hoegner氏は、Tetherの銀行口座、財務諸表、ならびに金融機関の従業員へのオンラインアクセスを同法律事務所に提供したと述べ、プライバシー上の理由その他により、同社が利用している2つの銀行の名前は教えることはできないと付け加えた。さらに、「金融取引はプライベートなことであり」Tetherは非公開会社として銀行名を挙げる必要はないと語った。

Tetherは世界中の暗号通貨市場を結合する接着剤のような役割を果たしている。ほとんどの銀行は、マネーロンダリングやその他の詐欺行為を恐れ、この種のビジネスとは距離を置こうとしている。つまりTetherは、銀行口座を取得することが困難あるいは不可能な状況で、ドルに代わる安定した価値を提供しているということになる。Tetherの事業が中断、あるいは破綻した場合には、多くの暗号通貨トレーダーが、現金化が困難になるという苦境に立たされることが予想される。

FSSによるこのレポートは、ある大学教授が、去年ビットコイン価格を人為的に支えるためにTetherが使われていた形跡があることを指摘してから1週間後に発表された。テキサス大学のJohn Griffin教授は、その研究論文の中で、世界初のデジタル資産(Bitcoin)の相場を操縦するようなやり方でTetherがBitcoinに変換されているパターンを検出したと述べている。

Tetherの最高経営責任者JL van der Velde氏は、そのような操縦を完全に否定したうえで、「Tetherは、いかなる憶測にもかかわらず、特定の瞬間の流通量と同等かそれ以上の額の米ドル預金によって支えられているという事実を訴え続けています。今回の独立した調査の結果、人々から寄せられた質問のいくつかにお答えすることができるようになったことを、喜ばしく思っています。」とEメールで語っている。

FSSの報告では、Tetherが利用している銀行の名前こそ述べられていないが、同法律事務所のパートナーであり、前連邦裁判所判事であるEugene Sullivan氏が、それら2つの銀行のうちの1行の諮問委員会の委員として名を連ねていることが告げられている。FSSは調査の過程で、Tetherの重役陣および銀行担当者と、電話インタビューのみならず、対談も行っている。

FSSの報告には、以下のような警告が盛り込まれている。「FSSは会計事務所ではないため、上述の審査と確認は、一般に公正妥当と認められた会計原則を用いて行われたものではない。」「FSSは、2018年6月1日の営業時間の前後の業務に関しては、一切の調査を行っておらず、一切の結論を出していない。」

さらにこうも述べられている。「(その真偽に関する)さらなる問い合わせは行っていないが、FSSが情報確認を行った銀行員は、かかる情報の確認先として正当に授権された者であり、かかる確認の結果は正確であると推測している。」

Tetherが過去に利用していた会計事務所のFriedman LLPによる、暗号通貨企業の財務に関する9月のレポートにも類似した免責条項が盛り込まれている。事情通によると、Tetherに関する調査の一環として、この会計事務所もCFTCからの召集を受けたという。

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