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必読:2018年のクリプト市場動向、予想、大胆予測

下記は2018年の暗号通貨市場に関する非公式の論評です。当社の経験、当社が好ましいと思うことや思わないことを踏まえ、今後12カ月間の市場動向を大胆に予測します。

市場動向

暗号通貨市場は、1月の高値以来、乱高下を繰り返してきました。全通貨の総時価総額は短期的に8,000億ドル超の最高値に達し、5月から徐々に2,500~5,000億ドルの範囲に落ち着いてきました。


時価総額は1月の高値から55%超の下落

原点に返り、2018年に激しい変動をもたらすと思われる主なきっかけをいくつか挙げてみます。

USD Tether (USDT)が今年初めの大きな懸念であったことは間違いありません。Tetherが2017年の正式な監査を拒否したことが報告されているにもかかわらずstablecoin (ステーブルコイン=安定通貨)に対する投資家のセンチメントに変化が生じ始めたのは、Bloombergがこれらのコインにスポットライトを当てるようになった今年の1月に入ってからでした。それ以来、大きな「不信」の要素はいまだに存在するものの、市場が実行可能なヘッジングの代案を求め続けていることもあり、出来高が低下するにはいたっていません。

1日当たりのUSDTの取引高は30億ドル超を維持

ICOで調達されたETHの現金化が進み、主要暗号通貨は売り圧力にさらされてきました。そのことを立証するのは台帳の性質から極めて困難ですが、市場のダイナミクスを鑑みると、この仮定は極めて的を射ていると言えるでしょう。イニシャル・コイン・オファリングは、これまでに大量のETHやBTCの調達に成功しているにもかかわらず、現時点においても大抵の場合、現実世界の運用コストは不換通貨による支払いを求められます。

例えば、史上最長のトークンセールの期間を記録したEOSを例に挙げると、おそらくUSDに変換するために、調達資金の大半がBitfinexに送金されています。


EOSウォレットの流出

これはいずれのICOにおいても珍しいことではありません。たとえ(EOSのような)プロジェクトで大量のETHを調達しても、各月のバランスシートが+/- 30%の幅で変動するような状態では、予算の編成や支出の予測は不可能であり、まともに事業を運営することはできません。

この世に暗号通貨が存在する限り、規制に対するFUD (恐怖、不安、懸念)は常に市場を悩ませ続けるでしょう。韓国政府によるものであれ、SEC(米国証券取引委員会)やPBOC(中国人民銀行)によるものであれ、規制に対するFUDは今後もボラティリティをもたらし続けるでしょう。

ICOセグメントの観察結果

イニシャル・コイン・オファリングは現時点においても大量の資金を調達する手段であり続けています。(Telegram/TONなど)立ち消えになったと思われるトークンセールもいくつか存在しますが、市場センチメントは良好な状態を保っています。今年4月の時点ですでに、各業界の総調達額は35億ドルを超えています。


業界別のICOにおける調達額

新規プロジェクトに対する需要の高さは変わりませんが、2017年以降に大きく変化している要因が複数存在します。

1. ICOの大多数がプライベートセール

多くの企業が、資金の100%を特定の個人投資家から調達しており、予定していた公募をすべて中止しています。

その理由として、SECの規制やマネージドファンド/シンジケートからの需要を挙げることができますが、単純に(平均投資額が1,000ドル未満の)何万人もの投資家を管理する必要のある公募よりも、特定の投資家のみを対象とした閉鎖的なセールの方が手軽に実行できるからです。この変化は、プライベートかつ特権的な市場の創出につながります。主要プレイヤーはまずそれらの市場へのエクスポージャーを得、残りのごくわずかな資金を公開リテールセグメントに投じるようになります。

この変化は、新規ICOプロジェクト、機関投資家、マネージドファンドにとって有利なものですが、その反動を避けることはできないでしょう

なぜなら、平たく言えば、1,000人の個人投資家が参加するコインオファリングによってマーケットリーチ(顧客ベース)が得られるべくもなく、パブリックセールが30,000人の投資家にもたらす所有意識が生じることもないからです。

プライベートセールでは、潤沢な資金を問題なく調達することができますが、市場エンゲージメントの問題が生じます。「エアドロップ」(暗号通貨の無料配布)だけで、トークンを普及させ、市場にアクティブなトレーダーを増やすことができるかどうかは、おいおい判明するでしょう。たとえそれが可能であるとしても、長期的な効果ついては確信が持てません。

2.ロックアップ期間と配布期間の長期化

トークンの配布期間は、おそらくプライベートセールスへの移行と関連して、大幅に延長されています。2017年は(とりわけBinanceがスポンサーとして絡んでいる)トークンセールが終了すると、その週のうちに流動性イベントが発生することも珍しくありませんでした。しかし市場の成熟に伴い、賢い企業は、自社トークンの日々の値動きが狂乱を引き起こす前に、真の結果を生み出すことに注力するようになっています

これは悪いことではありません。

実際、この状況は、市場全体がベンチャーキャピタルやプライベートエクイティ寄りのアプローチを試みようとしている兆候を示しています。その結果、主要な投資家は、時期が来れば一刻も早くオープン市場でトークンを売りさばこうとする代わりに、プロジェクトを心から支援していることを示す必要性に迫られます。

24カ月を超えるロックアップ期間を求めている、その大半が米国外に居住している投資家に、大きな安心感を与えるプロジェクトは一定数存在します。しかし当社の見解では、24カ月を超えるロックアップ期間は困難な要望であり、それに応じるプロジェクトは、流動性に着目しているファンドマネージャーとして当社が避けるべき対象であることは明らかです。

3. .新たなブロックチェーン/プロトコルにおける高需要

市場参加者は第二のICONやEthereumを求め続けています。Quarkchain (QKC)やZilliqa (ZIL)といったプロジェクトに応募が殺到し、これらの通貨が卓越した値動きを示していることから、新たなブロックチェーンの需要が高まっています。

このトレンドは長く続かず、このようなプロジェクトの価値はいつか、1秒当たりのトランザクション数(TPS)ではなく、市場普及率、ユーザビリティ、開発者のエンゲージメントに基づいて算出されるようになるでしょう。

4. ベーパーウェア (vaporware)や悪質なアイデアが減少

2017年におけるICOへの熱狂により、いくつかの極めて悪質なビジネスが大金の調達に成功しています。「ブロックチェーン上に存在する、xにおけるUber」や、実際に分散化に注力している、より良質なプロジェクトを目にする機会は、日増しに減ってきています。


BananaCoinの分散化されたバナナは、最高値のほぼ半額にまで下落

ホワイトペーパーの作成で終わった、リテールとコンシューマーに焦点を当てたプロジェクトは、資金調達の失敗によって負った傷を癒しつつあるかのように思われます。

トークン化されたすべてのコンシューマーアプリケーションを否定しようとしているのではありません。市場のニーズを満たすものであることが、非常に関連性の高いユースケースによってすでに証明されているアプリケーションが存在することは確認済みです。そのようなプロジェクトに関しては、近々、Appleアカウントを介した「信用買い」におけるトークンの採用が実現するでしょう。

Gifto (GTO)やCurrent (CRNC)といったプロジェクトには、現実世界におけるユースケースが存在します。とりわけ既存の消費者ベースに対して一切の代案が提示されていない状態が続けば、これらのトークンの採用は、予想以上に早く実現するでしょう。


Current (CRNC) がフリーアプリの最上位に

当社のお気に入りのセグメント

市場には現在、急速な進化が期待される複数のセグメントが存在します。

1. 分散型取引所
おそらく、現時点で最大の機会を有しているのは DEX (分散型取引所)でしょう。中央集権化された一流の取引所に上場するためには、数百万ドルの先行投資が必要であり、極めて高い障壁を乗り越えなければなりません。そのようなものが長続きするとは思えません。

ユーザビリティや消費者体験の改善に注力している Airswap やBancor といったP2P 取引所は、長期的な視点から成功が見えるプロジェクトです。Binanceなどの中央集権的なプロジェクトが素晴らしいプラットフォームをローンチしていることは認めますが、それらのプロジェクトは良質(および悪質)なトークンが、上場し、取引初日における2倍の値上がりという特権にあずかるためには、大量の資金を放出するしかないという、独占的環境を生み出しています。


ASTが P2Pプラットフォームをローンチ

DEX (分散型取引所)セグメントに対する唯一の懸念は、時流に乗ろうとする新規プロジェクトの数が多すぎることです。入念なDD (デューデリジェンス)を行うことなしに、これらの新たな取引所に関連するICOに参加することはありえません。なぜなら、すでに多くの採用者を確保しているプロジェクトが多数存在しているからです。

2. 証券をトークン化するソリューション
財産、株式、債券といった現実世界の資産をトークン化するソリューションに着目しているプラットフォームおよびプロトコルは、時代を先取りしています。

「フラクショナル・オーナーシップ」という言葉は間もなく、ブロックチェーンとの緊密な関連性を連想させるものとなるでしょう。そこでは誰もが、(トークン化された)物理的または非物理的な資産を共有することができます。

「所有権を購入し、それをトークン化する」だけのICOに投資するつもりはありませんが、トランザクションのプロセス全般とフラクショナル・オーナーシップを促進する、(TrustTokenなどの)基本的なプロトコルへの投資は視野に入れています。当社はこのセグメントを勝者としてみています。

3. プライバシートークン
プライバシートークンは、黒字にとどまっていると思われる大規模なセグメントの1つです。プライバシー保護に関する世界的なパラノイアが日増しに悪化している中、プライバシー関連のアプリと通貨の採用率の上昇が目立つようになっています。

Monero (XMR)をはじめとする、プライバシーの機能が優れている既存のコインは、常にその居場所を確保することができます。しかしプライバシーのセグメントは、単に通貨の送受信を目的とするトランザクションの促進から先に進む必要があります。

当社がサポートしている最近のプロジェクトの1つであるLoki (LOK)は、プライバシー関連のDaapsを開発するためのオープンソース開発基盤を創出するために、Moneroから分岐して生まれたものです(最初はメッセージアプリとして存在)。

このセグメントは今後数年間で大幅に成長することが予想されます。

2018年の大胆予想

最後に、暗号通貨市場におけるクレイジーな(あるいはそれほどクレイジーではない)予測です。1つでも的中すれば幸いです。

1. Binanceは2019年に主要取引所の地位を失う。

UX (ユーザーエクスペリエンス)が群を抜いて優れているため、当社のチームはBinanceを好んで使用しています。しかしこの最も人気の高い取引所は、2019年に分散化されるでしょう。

Binanceの開設がわずか9カ月前であることを鑑みると、今から2019年までの間に市場の支配権が別の取引所に移ると考えるのは、ばかげているでしょうか?

2. Rippleが5ドル上昇する

Rippleはおそらく市場で最も嫌悪されている暗号通貨ですが(僅差でTRXが続く)、逆張り投資家は、大手金融機関で実質的な取引が行われれば、XRPの上昇を期待することができると考えています。これは投機的な予測にすぎませんが、たとえ何も開発しなくても、パートナーシップによって成功する可能性はあります(免責事項: 当社はXRP を18セントから保持し続けています)。

3. Tetherに会計監査が入る

適切な時期が来れば、USDT (Tether)に会計検査が入り、同社がstablecoinを支援するための資金であると主張する金額と一致するトレジャリーノート(あるいはレバレッジがかけられたデリバティブ)を保持していることが判明するでしょう。

4. Oxプロジェクト(ZRX) の時価総額が50億ドル上昇する。

上位20のコインよりも低く評価されている最高のプロジェクトの1つであるOxの時価総額が50億ドル上昇するでしょう。独自のプロトコルを使用して実際にプロダクトの開発が行われていることや、Coinbaseとの提携に関する噂が一行に鎮火しそうにないことから、ZRXは上位10のコインのライバルとして位置づけられています。

5. Tron (TRX) が「クソ」コインにおける上位10のポジションをキープする。

このばかげた予測には、事実、証拠、理由というものが一切存在しません。しかしリテールマネーの新参者達は、その名称の響きを実に気に入っているようで、ホワイトペーパーが完全に盗作であることに気付く気配はありません。

これにて、いくつかのクレイジーな予測が伴う、当社の非公式な市場動向の解説を終わらせていただきます。

Astronaut Capitalのチームを代表して、本記事を読んでくださった皆様にお礼申し上げます。質問等がございましたら、以下にコメントを残すか、Eメール(admin@astronaut.capital)でご連絡ください。

以上

Astronaut Capital

 

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