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第1四半期に最も利益を得たパブリックICO

資金調達の支持を集める代替手段としてのICOと、その一方での増大する詐欺や不正行為の件数により、ICOは最先端のアイデアを使って資金を得る絶対確実な方法であるように思える。しかし、生存バイアスというものがある。それは、この場合では成功を収めたICOに着目した論理的な誤りであり、存在感のなさにより成功しなかったICOが見落とされている。成功したICOだけではなく一般的な傾向と失敗したICOにも目を向けることが、より大きく完全な実態を示す助けになる。

以下は、トップのパブリックな、もしくは誰もが利用可能なICOの実績を示している。プロジェクトは投資利益率(ROI)、もしくは初期投資と比較してもたらされたものを基準にして評価されている。初期投資の通貨により、利益は異なる。

第1四半期に最も利益を得たICO
これらの数字は当初のICOトークン価格と比較して、トークン価格がどれくらい変化しているかを示している。

第1四半期に最も利益を得たICO(Cryptonews.comによるInfogram)

出典:Icodrops.com(5月8日グリニッジ標準時12:00のデータ)
注意:ElastosとTrinityはBTC ROIとETH ROIのリストには含まれているが、USD ROIのタブでは評価されていない。
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勝者について詳しく見てみよう。

ZILLIQA
リストのトップに位置するZILLIQAは、オープンで許可が必要ない分散型ネットワークのスケーラビリティ用に作られたブロックチェーンプラットフォームである。その主な特徴はシャーディングで、ネットワークの全状態をシャードと呼ばれるたくさんのパーティションに分割し、そこには独立した状態の一部分と取引履歴が含まれている。元々はシンガポール国立大学の研究者チームにより開発されたZilliqaは、今やシンガポール生まれの史上最も時価総額の高いブロックチェーンプラットフォームである。

TomoCoin
「分散型のアプリケーション、トークン発行、完全性に向けた効率的なブロックチェーンインフラ」と言われているTomoCoinは、優れた構造を持つと主張しているプロジェクトであり、dApp(分散型アプリケーション)と仮想トークンもサポートし、Ethereumプラットフォームのスケーラビリティの問題を解決しようともしている。

Zebi
Zebiはオファリングをする体制や企業に基づくブロックチェーンベースのソリューションで、高い価値と極秘データを活用、保護する。その目的はハッキングや改ざんからデータを保護する一方で、 個人から同意を得て合法的な使用に対してはすぐに利用できるようにすることである。

Bluzelle
Bluzelleはコンピューターの保存スペースを貸し出してトークンを稼ぐ一方で、dApp開発者がトークンを使って自身のdAppデータを保存、管理することを目指している。基本的にこのエコシステムは、データベーススペースの貸出を望む消費者と付加的なコンピューティングリソースを持つプロバイダーを結び付けて、この保存領域を提供する。

Switcheo Network
Switcheo NetworkはNEOプラットフォーム上に構築された取引所で、 NEP5トークンのトラストレスな取引を可能にし、将来には他のクロスチェーントークンにも拡大されるかもしれない。「世界初のマルチチェーン分散型取引所」と呼ばれるSwitcheo Networkは、瞬時の取引と払い戻し、そして手数料の安さを約束している。

Fusion
Fusionの基盤は仮想ファイナンスプラットフォームの作成を重視して、金融におけるブロックチェーンの広範囲な利用を妨げている障壁を取り除く。Fusionはつながりを持つ金融エコシステムの構築に取り組み、理論から実践へのブロックチェーンの進歩を助ける。

MatrixChain
これはオープンソースのブロックチェーンプラットフォームで、スケーラビリティ、スマートコントラクトの安全性、プログラミングの障壁などの問題を解決するために人工知能(AI)の活用に取り組んでいる。AIを実装することで、マシンラーニングを通じた継続的な適応自己最適化をサポートする。AIがマイニングの能力を使って複雑なアルゴリズムを解くことも可能にして、プルーフ・オブ・ワークの計算に通常は大量消費されるエネルギーを直接取り込み、そのエネルギーを使用してMatrixChain上でアプリケーションを実行する。

CREDITS
自律的なスマートコントラクトと内部トークンを備えたオープンブロックチェーンプラットフォームのCREDITSは、自力執行的なスマートコントラクトとバブリックデータレジストリを使用するブロックチェーンシステムに向けたサービスを作り出すために設計されている。ネットワーク、応答時間、取引コスト、秒ごとの運用回数に関する新しい技術力によって、サポートをおこなっている。

Lympo
健康的なライフスタイルへの改善を目指す新製品として、Lympoはインセンティブを提供することでユーザーに報いるために、ブロックチェーン経由でスポーツと健康データの収益化を目指している。「ユーザーが作成して管理するフィットネスやウェルネスのデータを備えたLympoは、LYMユーティリティコインの導入によって価値交換を可能にする」と、自身のことをまとめている。

Lamden
Lamdenのブロックチェーンサービスは一連の開発者ツールであり、新しいカスタムメイドの ブロックチェーンとアプリの作成過程を迅速化することが意図されている。史上初のブロックチェーンエンタープライズソリューションであるはずのLamdenは、経験豊富な開発者と素人の開発者に対して同等に、高度なブロックチェーンテクノロジーをもたらす。

Elastos
Elastosはブロックチェーンに基づくオペレーティングシステムで、デジタル著作権の認証、コントラクトの移行、そしてこの新しいインターネット上でブロックチェーンテクノロジーによってデジタル情報を資産に変えることをおこない、世界初となるオープンソースのインターネットオペレーティングシステムになることを目指している。

Trinity
TrinityはブロックチェーンサービスでNEO(ブロックチェーンプラットフォーム)向けの「ライトニングネットワーク」と呼ばれ、ステートチャネルテクノロジーを通じてNEOメインネット資産のリアルタイム決済、安い取引手数料、スケーラビリティ、プライバシー保護を目指している。興味深いことにTrinityという名称は、NEOと同様に映画『The Matrix』に由来している。

話題になったが低迷しているもの

しかし、ICOを得ることは巨額な利益を稼ぐための保証された魔法の方法ではない。以下は、話題になったが低迷しているプロジェクトの数例である。しかし、業績の良いトップのプロジェクトが失敗せず、ICOの価格を下回って取引されないという保証はないように、これらが長期的にはどのようになるのかは誰にも分からない。

Experty:USD ROI 0.14倍、BTC ROI 0.17倍、ETH ROI 0.20倍
「仮想通話を稼ぐ」と要約されるExpertyは、分散型デジタルコンサルテーション市場を約束した。通話中は、いわゆる「ナレッジプロバイダー」が「ナレッジシーカー」へアドバイスすることで料金が発生し、通話の終了時にはその知識に対して即座に支払いがおこなわれる。

COPYTRACK:USD ROI 0.18倍、BTC ROI 0.17倍、ETH ROI 0.22倍
COPYTRACKは認可を受けた作品が報酬なしで使用されるアーティストへの不正行為を正そうとしているが、自動的な著作権行使によりユーザーの支払いも支援する。ICOの価格は1.19ドルだったが、第1四半期末ごろには約0.13ドルへ下落し、現在は約0.22ドルで取引されている。

SwissBorg:USD ROI 0.24倍、BTC ROI 0.38倍、ETH ROI 0.43倍
SwissBorgプロジェクトの目標は「Ethereumとスマートシェアを備えたコミュニティ中心のアプローチで資産管理に大改革をもたらす」ことだった一方で、スイスのサイバー銀行が提供する初の仮想投資サービスとなることも約束していた。詐欺であると言われることが多くあったが、決定的な証拠は何もなかった。SwissBorgは目標額を調達したが、この点は投資家への高い投資利益率を全く保証しなかった。

傾向

ICO評価機関であるICORATINGのデータによると、2018年第1四半期に実施された412のICOのうち、取引所に上場できたのはわずか89で、10万ドル以上を調達しているのは204だけである。取引所に上場されたトークンの83%は失敗している。さらに、第1四半期におけるプロジェクト総数の46.6%はICOのキャンペーン前に進展がなく、これは一般的には業界への否定的要素であるとこの評価機関は調査の中で 述べた。

2018年第1四半期のICO以降の投資利益率と調達額*
* グラフは調達額の分布と投資利益率を示す。

第1四半期に最も利益を得たパブリックICO

利益の中央値が49.32%である唯一の理由は、2~3のプロジェクトが修正しているからである。もしそれらが取り除かれると、負の戻り値からは逃れられないだろう。

今年の第1四半期から、私たちは明らかな教訓を得ている。現代のICOの中では、他の全てのプロジェクトの中央値を修正するような大きな利益を得て勝利するか、元が取れないかのどちらかになり、その中間は難しいように見える。

しかし、詳細なコンテキストによって状況を見ないのは不公平である。例えば、大企業500社の時価総額に基づく米国株式市場指数であるS&P 500は、年初来からの利益は執筆時にはマイナス0.04%となっている。慰めになる考えは、少なくともICOはマイナスにはなっていないということである。

 

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