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Bitcoinではなく、仮想経済学が仮想通貨の不動産投資を促進する

 

Bitcoinが経済の主流の一部となった今、住宅の売買取引にBitcoinを使うオーナーや買主が数多く現れ始めています。

昨年、Sotheby’s International Realtyは、Bitcoinを使った不動産業界初の取引となる、テキサス州オースティンの一戸建て住宅を売却しました。オースティンの物件は2017年9月、1 Bitcoinの価格が3,429ドルだった時点で売却されました。

一連の取引に続き、Bitcoinを対象としたその他の住宅不動産も市場に出始めました。最近のForbesの記事は、不動産および資産管理プロジェクトに特化した総合投資機関、Canter Companiesが数百万ドルに及ぶBitcoin専用の住宅を2軒売りに出したことを伝えています。物件には合わせて2千万ドル以下相当のBitcoin価格が付けられています。また、シリコンバレーにある27エーカーの土地がBitcoin、EtherおよびXRPを対象に1600万ドル相当の仮想通貨価値を底値として売りに出されています。

しかしBitcoinで取引できる住宅物件が少々市場に出回ったからと言って、Bitcoinが不動産業界で幅広く流通することにはならない ー 少なくとも不動産業界がブロックチェーン技術を活用し、仮想通貨取引が全面的に採用されるようになるまではそうはならないだろう、という見解もあります。

分散化された仮想通貨として社会が全面的にBitcoinを採用しはじめた一方、次世代のブロックチェーン技術は、単なる支払方法の一選択肢にとどまらない可能性を不動産業界にもたらすことができます。例えばPropyは、世界の価値を大きく動かす世界的な共有インフラである強力なEthereumブロックチェーンに基づきつつ、同時に不動産の所有権を保証する仮想通貨です。仮想通貨のこうした特徴を用いれば、最終的に、不動産所有権の移転を完全にオンライン化することも可能です。部屋で椅子に座ったまま、自分の不動産を売買できる世界を想像してみてください ー これがブロックチェーン技術がもたらすことのできる現実なのです、とPropyのCEO、Natalia Karayanevaは語ります。

Karayanevaは、住宅購入者や販売者が不動産取引で仮想通貨の利点を活かしきるためには、単なるBitcoinによる住宅の売買にとどまらない広範な取組みである「仮想経済学」の導入を置いて他にない、と言います。

仮想経済学は、分散化されたネットワーク、すなわちブロックチェーン上で、各種仮想通貨のエコシステムがフルに機能する枠組みを形成します。これらのエコシステムを用いれば、数多くの個人や事業体が、仮想通貨が提供する匿名かつ信頼のネットワークを通じて、未知の相手方と安心して取引し合意に至ることができるようになります。これは経済的インセンティブと基本的な暗号法ツールを組み合わせて用いることにより可能となります。

「『仮想経済学』は言ってみれば機構設計のようなものです。まず目指すべきゴールから出発点を振り返り、システム内の参加者それぞれのインセンティブとなる、然るべき仕組みを見つけ、そのうえで共通のゴールに進むのです」と述べるのは、Ethereum Foundationの中核的研究者、Karl Floerchです。

例えば、国際的不動産マーケットプレイスであるPropyは、仮想経済学を用いて個人ユーザーがPropyプラットフォームに参加したくなるよう、ソーシャルメディアでの不動産情報のシェア、所有権履歴のアップロード等々を通じてインセンティブを与えます。

「Propyのユーザーは、プラットフォーム上のサービスを利用することにより『クーポン』という形でブロックチェーンのトークンを獲得でき、またこのトークンはこのプラットフォームへのアクセスを望んでいる外部ユーザーと簡単にオンライン上で取引することができます。つまりPropyユーザーは、安全かつ簡単に不動産取引を完遂できるツールを手中に収めているのです。」とKarayanevaは言います。

一方、不動産を売り出し、ソーシャルメディアで物件をシェアし、ネットワーク上に所有権履歴をアップロードするユーザーは、Propy Registry(登録簿)上における所有権の移転を取り扱うスマートコントラクトを開錠するよう設計された、Propyの「PRO」トークン(ERC-20トークン)を使うことができます。つまり、所有権の移転は完全にオンライン化され、またブロックチェーン技術によりその安全性も保障されるのです。さらに、不動産業界へのトークン経済的アプローチは、所有権の「採掘者」のインセンティブを上げるだけでなく、政府機関における採用を促し、不動産売買に関わる人全てが幅広くデジタルトークンを活用することを目指しています。

例えば、バーモント州ではつい最近、ブロックチェーン技術を用いた不動産権利移譲書の記録、というPropyとの協同プロジェクトの始動を発表しました。この試みは、ブロックチェーン基盤ネットワーク上で土地の管理データを保管することにより、ブロックチェーン技術が不動産取引の安全を保障できることの証左となっています。

ブロックチェーン技術を不動産取引に活用するという今回の試験的プロジェクトの発表は、いつもビジネス、保険、また金融技術の革新において先駆者的な役割を担ってきたバーモント州の伝統を物語るものでもあります。バーモント州商務・地域開発局長のMichael Schirlingはこのプロジェクトにつき、「ブロックチェーン技術を活用できる最新の法的枠組みがあったのは幸いでした。これからも、バーモント州がこうしたイノベーションの最先端に立ち続けられるよう、議会と協力していきたいと思います」と語りました。

さらに、ブロックチェーンが不動産業界で存在感を増していることにより、国境を越えた不動産取引のより効率的なソリューション創出も可能になりました。2009年から2016年までの間に、国境を越えた不動産取引の需要は650億ドルから2170億ドルへと成長しました。現在、アメリカの不動産市場では中国人が外国籍の投資家の中でもっとも盛んに投資しており、米国内で総額280億ドルを超える住宅不動産を所有しています。しかし米国内の住宅不動産市場の価値総額は29兆ドルを超えます。もしもオンラインでの不動産取引が可能になれば、外国人投資家による米国住宅不動産市場への外資投入額はおそらく何千億ドル規模にも拡大するでしょう。

Bitcoinによる不動産取引は間違いなく時流に乗ってきていますが、不動産市場内で仮想通貨とブロックチェーン技術を用いたインセンティブに基づくアプローチを取ることにより、仮想通貨の採用自体が大きく前進します。仮想経済学が、ブロックチェーン技術により不動産業界に現実の価値をもたらせることを証明したため、いずれは不動産取引において仮想通貨の利用が主流となるでしょう。しかしそれが起きるまでは、仮想通貨の現実経済界における採用は、緩慢としたものとなるでしょう。

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