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2018年に暗号通貨起業家が直面する4つの課題 – ブロックチェーンプロダクトに実用性の証明が求められる理由

 

2017年はトークンセールが類を見ない速度で急増し、ブロックチェーン業界が劇的な成長を遂げた年となりました。しかし大胆で誇大な約束が散見され、国家による規制が設けられました。2018年のQ1にはいくつかのプロジェクトの勢いが弱まり、市場における着実な後退が認められました。

暗号通貨市場の低迷とともに、今月に実施される ICOの数は減少傾向にあります。ソーシャルメディアでは、詐欺ICOで奪われた投資金の割合に関する統計 (MITの調査では5%とされている一方、85%と主張する調査もあり)に基づいた憶測が繰り広げられています。2014年以降に完了したICOの数は2600件超に上っています。もちろん実績のある有能なチームによるプロジェクトが数百件を占めており、経験の浅いチームからも、拙いアイデアに限らず、素晴らしいアイデアももたらされています。その一方で、単なる詐欺でしかないプロジェクトも存在しており、それらに関してはSECにより閉め出しを食らうか、Bittrexのような評判の良い取引所への上場が阻止されることを祈るしかありません。またトークンセールを行ったにもかかわらず、いまだにプロダクトやトークンネットワークのリリースに至っていない熟練したチームも多数存在するため、現時点で暗号プロジェクトの成功を評価するのは時期尚早です。この極めて未熟な市場の中で、暗号通貨起業家がプロダクトの構築に励んでいる一方で、暗号通貨エコシステム(クリプトファンド、トークン作成者、トークン保持者、早期採用者)は多くの課題に直面しています。

暗号通貨起業家/投資家が2018年に直面する4つの主な課題を以下に挙げます。

1. 新ブロックチェーンの濫立
Propyチームを含む暗号通貨起業家は、自社のプロジェクトに取り入れるべきか否かを検討するために、多くのブロックチェーンの進化に注目しています。しかし、それらによって掲げられている素晴らしい約束が果たされる日は来るのでしょうか。そのヒントは過去の事例から得ることができます。

チューリング完全プログラミングに基づくEthereum のブロックチェーンがついに稼働を開始したのは2015年の半ばでした。この出来事は、コミュニティに対して掲げられていたリリースの約束が1年後にようやく果たされたことを示しています。しかしこの成功は、2016年のThe DAO (Ethereumプラットフォーム上のプロジェクトの1つ)への攻撃によって水泡に帰し、新参者は出鼻をくじかれ、脱力感に見舞われました。

さらに、Ethereum はトークンセールからERC-20トークンシステムのローンチまでおよそ3年間を要しています。皮肉なことに、今最も人気があり、トークンセールで多額の資金の調達に成功しているトークンは、Ethereum インフラストラクチャーを活用し、Ethereum ブロックチェーンを複製したものです。誤解しないでください。どちらのプロジェクトが優れているとか、そういうことを言いたいのではありません。Propyはただ、このような新技術の進化に注目し続けているだけです。

Ethereum の例が示しているように、新ブロックチェーンはその展開に少なくとも2年を要し、成熟するまでには3~4年はかかります。とはいえ、その多くが、コミュニティに対して約束を掲げるだけで終わってしまうことが予想されます。これらの約束の妥当性を見定めることは、それを立証する理論的なガイドラインが作成されていないため、たとえ知識が豊富な科学技術者であっても極めて困難です。

これらのプロジェクトが一般に受け入れられる可能性を予想することは不可能です。この技術はまだ若く、過去のメトリックに基づいた比較や判断を行うことは非常に困難です。ならばなぜ、多数のプロジェクトが次から次へと出現するのでしょうか。アイデアを実現させるかどうかはさておき、人々にビジョンを伝え、大胆な約束によって期待をもたせることにより、いとも簡単にお金を稼ぐことができるからではないでしょうか。

その好例として、Theranos 社(2003年創立)の資金調達をめぐる経緯とその末路を辿ってみましょう。同社は90億ドルという評価額で7億ドルを超える資金を集め、11年間にわたり、遠慮会釈のないベンチャーキャピタルの支援を受けてきました。しかし同社の技術の有効性に対する懸念が持ち上がったことにより、11年間好況を維持してきたバブルが突然はじけました。その結果、創立者はSEC から50万ドルの罰金を科せられ、10年間にわたり公開会社の重役の地位に就くことを禁じられ、1900万株近くの株式の返還を求められています。

したがって誇大に広告されている新ブロックチェーンはすべて、「Ethereumの改良版」あるいはTheranosの二の舞になる可能性があります。

2. 実用性のあるブロックチェーンプロジェクト
前節では、ブロックチェーンの過剰供給によってクリプトスペースが飽和状態にあることをお伝えしました。ここではブロックチェーン技術の実力と、実用的な分散型アプリケーションについてお話ししましょう。

現状においては、潤沢な資金を有するプロジェクトは極めて少なく、これらのプロジェクトの大多数はユースケースによる実用性の証明に注力するものではありません。最もエキサイティングで動的なプロジェクトは、実用的な分散型アプリケーションプロジェクトです。現存する技術の中で、世界を震撼させる可能性が最も高いからです。これらの実用的なアプリの例として、当社のアプリはもちろん、 企業と個人にID検証&セキュリティ保護を提供するCivicや、分散型ホームシェアリングアプリのBeeToken、広告プラットフォームのAdEx、デジタル資産管理プラットフォームのICONOMIを挙げることができます。

現時点で注目を集めているのは新ブロックチェーンおよびfat protocolですが、これらは理論上のものにすぎないため、実用性のテストに合格しない可能性があります。またあまりにも現実離れしすぎて実際の経済活動に適用できないようなものや、ネットワークの持続的な成長に必要な勢いが得られないようなものも存在します。それらが明らかになるのは時間の問題であり、早くて1年、現実的には2年の歳月を要するでしょう。

当面において最も注目を浴び、最も多くの資金を集めているのは、新ブロックチェーンおよびfat protocolです(TelegramのTON、Filecoin、Tezos、EOS、Bankor、Status、Kik, MobileGo、Blockstack、SONMが調達した資金の総額は20億ドルを超えています)。 上述のブロックチェーンプロジェクトは、ほとんどが失敗に終わり下げ相場をもたらすかもしれませんし、社会の発展とともにブロックチェーン技術が成熟し、その潜在的な用途が明らかになる可能性もあります。確実に業界を震撼させるプロジェクトや、日常的に使用できるプロダクトに関しては、一般大衆であれ、投資家であれ、その成功の可能性をより的確に評価することができます。

3. 有望なプロジェクトを上回る数のクリプトファンド
タイトルがすべてを物語っています。現時点ではクリプトファンドは供給過剰であり、初期段階のスタートアップからトークンセールに投資対象を変更し、そのための部門を設けている一流どころのAndreessen HorwitzやSequoiaといった従来型のベンチャーキャピタルや、資本の約10~20 %をICOに投じるクリプトファンドが濫立している状態です。その中にはPantera CapitalやBlockchain Capitalのようにこのスペースに精通している「ベテラン」企業もあれば、(Techcrunch の創設者でもあり、Uber、Pinterest 、Airbnb に初期の段階で投資していたMichael Arringtonが創設した) Arrington XRP Capitalや(Augur の創設者でもあり、かつてはBlockchain Capital に所属していたJeremy Gardnerが創設した) Ausumのような新参でありながらも素晴らしい暗号通貨やVC経験を有している企業、そして(経験豊富な中国系ファンドである) FBGなどが含まれます。

しかしFOMO (見逃してしまうことへの恐れ)によって慌てて参入し、誇大広告に簡単に騙されてしまいそうな新参者も存在します。クリプトスペースに流入する資本が増えることは喜ばしいことですが、もろ刃の剣でもあります。合理的な(有望でないものも含む) スタートアップの数よりも多くのクリプトファンドが濫立するという、この明らかな供給過剰状態は、今のところ何らかの弊害をもたらしているようには思えませんが、ブロックチェーンコミュニティを危険にさらす可能性があります。これらの投資家がスキャムプロジェクトの計略にはまることにより、今年は2017年よりも高額の資金が騙し取られてしまう可能性があります。

4. 簡単に操作できるトークンの時価総額
金融業界においては、従来から企業価値は市場評価に基づいて判断されてきました。それは 1株当たりの株価を発行済株式の総数で掛けた値、つまり「時価総額」を意味します。クリプトスペースの状況も同じようなもので、同様に「時価総額」というメトリックを使用します。この指標は、勝者と敗者の見極めに役立つものというよりもむしろ、投資家を欺くものとなる可能性があります。

以下に示すCoinmarketcap.comの時価総額チャートにおける上位100のプロジェクトのうち、その評価が疑わしいものは、おそらく半数以上を占めています。ここでは、わずか1週間前にCoinmarketcapの評価が操作された方法を示します。

PACcoin と呼ばれるプロジェクトの時価総額は330億ドルとされています。トークン価格が0.01 米ドル(1セントの10分の1)にすぎないにもかかわらず、いったいどうやってこのような高評価を得て3位にランクインすることができたのでしょうか。それは、この評価額が、トークン単価に発行トークンの総数を掛けて割り出された値であるからです。この事例においては、PACcoinの背後にいる人物または企業が、トークンを無限に発行することを決定し、その時点で2兆5000億ものトークンを配布しています。単純計算すると、ほとんど無価値とも言える代物に数十億ドルという評価がつくことになります。

幸運にも、このセクターはバランス化されており、多くのきちんとしたプロジェクトが簿価よりも低い「時価総額」をつけられています。わたしが言いたいことは、今がバブルの真只中であるということではなく、この指標は市場への依存度が低く、トークン作成者に大きく依存しているということです。2001年の「インターネットバブル」がはじけた後、勝者と敗者が生まれました。そこで上位につけることができたのは実際のユースケースを有していたプロジェクトです。インターネットがより実用的で便利なものとなったのは、ドットコムバブルのおかげです。

最近、Peter Thiel氏が「暗号(通貨の支持者)はリバタリアンである」と語っています。技術における中核的な価値は自由市場経済におけるそれと類似しており、ともに経済的な抑圧が限られていることは紛れもない事実です。また、DAO (分散自律型組織)やブロックチェーン上のガバナンスに関するアイデアはリバタリアン国家におけるそれと類似しています。Atlas Shrugged (邦題『肩をすくめるアトラス』)のAtlantisを思い出しませんか。しかし当社は、まだそこには至っていません。 コミュニティのみなさんには、当社はまだ開発における初期の段階にいることを認識していただきたいと思います。何もせずにただ、市場における壊滅的な反転や、国家による規制を待っているよりも、情報の少ない市場に特有の不安定さを回避するために知識を身に着ける方が、よい結果が得られるのではないでしょうか。

 

 

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