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イングランド銀行のマーク・カーニー、仮想通貨は「お金の未来の方向性を示す」と発言

イングランド銀行総裁でG20の金融安定理事会議長であるマーク・カーニーは、一般的なお金のトピックにもっぱら焦点を当て、とりわけ仮想通貨を取り上げたスピーチの中で、BitcoinやEthereumなどの仮想通貨はお金の未来の道筋を示すと語った。

ヘンリー8世が自らの硬貨の貴金属含有量を減らしたチューダー朝時代から、ドイツのワイマールでドイツ帝国銀行が政府資金を調達するに至るまで、貨幣の価値低下の歴史を確認しながら、それでもなおカーニーは断言した。

「民間金融部門は無制限にお金を作り出せませんが、競争により規律が守られ、健全性規則に制約され、預金残高が削減できる家庭や企業の決断(例えば、既存債務の返済)に制限されています」

現代に話題を戻し、中央銀行総裁は仮想通貨の発展についていくらかの親しみを示しながら、語り始めた。

「世界的な金融危機のどん底で技術開発と、金融システムにおける信頼崩壊が偶然に一致したことで、仮想通貨革命が引き起こりました」

しかし、仮想通貨は短期的な価値保存には弱く、支払い方法として広く受け入れられていないので、通貨機能をうまく果たしていないと彼は主張している。

銀行総裁はその際、Bitcoinとそのよく知られているスケーラビリティの数多い問題についてのみに注目していたが、Bitcoinはその調査に膨大な作業量をこなしていて、今や概念上は問題解決しているところまで来ていることを彼は認識していなかった。

いずれにせよ仮想通貨は人気が高まっているので、仮想通貨を孤立させるか、規制するのか、もしくは統合するのかについて、政策立案者は決定する必要があると彼は述べている。全面的な禁止は却下しながら、彼は言う。

「より良い道は仮想資産エコシステムの要素を規制し、不法行為と闘い、市場の統一性を推進し、金融システムの安全と健全性を保護することです。

仮想資産のエコシステムに、他の金融システムと同じ水準を持たせるときが来ています。金融システムの一部であることは膨大な特権をもたらしますが、大きな責任も負います」

彼は一見したところ、「根本的な支払い技術を発展させる大きなチャンス」のため、古いものが新しいものに置き替えられていくように、徐々にデジタル通貨をより広範囲なレガシーの金融システムに統合させることを主張している。

「仮想資産を規制のテントに入れることで、イノベーションが引き起こる可能性があります」と我々が長々と引用したスピーチ部分の前に付け加えて、カーニーは述べている。

「仮想資産は3つの点で、お金の未来の方向性を示します。それらは、特に分散型ピアツーピアの相互作用に対して、変わりゆく社会の好みを満たすためにはどのようにお金と支払いの調整が必要なのかという提案と、根本的な仮想技術が支払いの効率性、信頼性、柔軟性を一変させる可能性と、中央銀行は全員が利用可能な中央銀行デジタル通貨(CBDC)を提供するべきなのかと提起された質問です。

まず、仮想資産は、経済と社会を強力なネットワークを通じて一連の分散型ピアツーピアのつながりにする広範囲な再編成の一部です。人々はますます直接、即座に、そしてオープンにつながりを築き、彼らがどのように消費、仕事、コミュニケーションするのかということについて大改革がもたらされます。

しかし、銀行と支払い、決算と清算システムのように、金融システムは一連のハブ・アンド・スポークの周辺で準備されます。仮想資産は、ピアツーピアの取引に向けた金融アーキテクチャを構築する試みです。たとえ今の世代で答えが出なくても、現行の支払いシステムに挑戦しています。これらは、十分に信頼できてリアルタイムな分散型トランザクションの要求を満たすために、これから進化しなければなりません。 Comment by K: この部分の原文ですが、後ほど全く同じ文章が再度、記載されています。

2番目は、仮想資産の根底にある技術で、特に分散型台帳は以下が可能です。管理データの効率性向上。複数の当事者が複製データと機能を共有するので、不具合の根幹を除去することで回復力向上。即時で永続的、そして不変な取引記録の作成により、透明性(および監査性)向上。新情報を受け取り次第、自動的に更新、そして適切な場合は支払いをする「スマートコントラクト」を含む、ストレート・スルー・プロセッシングの使用拡大。

税と医療の記録など、公的機関との取引を人々はどのように管理するのかから始まり、企業は自社のサプライチェーンをどのように管理するのかに至るまで、分散型台帳技術があらゆるものを一変させることをこれらの特性は意味しています。

3番目としては、中央銀行デジタル通貨(CBDC)を作り出すために、仮想通貨のインフラは既存の不換通貨に備わっている信頼と結び付くのかという明白な質問を、仮想資産が提起していることです」

全員が利用可能な中央銀行デジタル通貨は、銀行がローンと金利を通じて紙幣を発行することはもはやできないだろうということで、金融システムを大転換させる。

スイスは6月10日、その件について拘束力のある住民投票をおこなう予定なので、不換ドルが憲法に違反して法定通貨を宣言して以降、1世紀以上にわたって議論されているお金の話題が公開討論の場に持ち出される。

中央銀行が発行したデジタル通貨が意味する負債のないお金の考え方に、カーニーは反対している。さらに、彼のスピーチが示唆しているのは、競争によってのみ抑制される終わりのない紙幣発行と、それに続く銀行預金減少による銀行経営の破綻よりも、主な問題は支払いのインフラであり、銀行は支払いインフラをさらに効率的にしようとしているということである。

「たとえ今の世代で答えは出なくても、現行の支払いシステムに挑戦しています。これらは、十分に信頼できてリアルタイムな分散型トランザクションの要求を満たすために、これから進化しなければなりません」とカーナーは述べた。

声明の中でおそらく気付いていないだろうが、中央銀行通貨を発行したり、さもなければ革新的な自由市場と競争したりすることで、デジタル通貨はハイエクが唱える自由市場のお金をもたらすことをカーナーは認めている。

中央銀行は些細な管理ミスを世界各地で繰り返し引き起こしているので、そのお金は支払いの点だけでなく価値保存の機能としても競争力がなくなり、その価値は永遠に低下し続ける。

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