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Uberの共同創業者がパーミッションド型の新暗号通貨をローンチ

Uberの共同創業者であるギャレット・キャンプ氏は、ユーザビリティ&ペイメントサービスを対象とする新暗号通貨「Eco」を6カ月以内にテストネット上でローンチする。

同スタートアップは「プラットフォームの採用と、ネットワーク効果を促進するために、Ecoのデザインに関するあらゆる決定において、単純さと使いやすさを優先するつもりだ」としたうえで、こう付け加えた。

「ユーザーは Eco.comから、認証済みの口座と、Eco.com/aliceとか、Eco.com/bobといったプロフィールを作成し、テキストの送受信や音声コマンド等のインターフェースを介して “3 ecoをbobに送信する” ことなどができます。」

しかしコーポレートコインを描出するようなデザインが提案されているだけで、ホワイトペーパーは作成されておらず、すべてのことがまだ初期の段階でとどまっているようだ。

「Eco Foundationは、広範な地域に分散されたネットワークのブートストラップを支援するために初期ノード(承認者)のアイデンティティを検証します。このネットワークは当初50カ国を超える国家の大学を対象とし、数百ほどのノードを受け入れます。

このグループは、大半の地域で、機能する複数ノードが確保されるまで、(例えば認証済みノードの80%による)透明性の高い方法による任命と受け入れにより、組織の数を増やし拡大することができます。」

検証(を行う)ノードはある程度の信頼を得ているため、マイナーがマイニング報酬をすべてかっさらうのではなく、同額のecoトークンが全ノードに分配される方式にインセンティブが変更されている。

したがって、ハードウェアを積み重ねずとも、最低限の作業さえすればインセンティブを得ることができる検証ノードの間には、競争的状況が生まれることはないだろう。

しかし、実際の、あるいは概念上の仕組みは不確かなままだ。Proof of Work の値がここまで低いと、1つのノード上の1人のハッカーによって、いとも簡単にシステムが完全にダウンさせられてしまうだろう。

また、同氏にインセンティブがないのなら、なぜこのシステムを実行するのだろうか。1つの理由として考えられるのは、怠惰なノードをネットワークから閉め出すためかもしれない。しかし金銭が絡むと怠惰な人々のことなどかまっていられない。

「 Ecoは不明な者によるマイニングを阻止し、ブロック報酬をその他のノードとユーザーに分配する承認済みのノードを有します。ブロック報酬は、そのすべてが1人のノードによって保持されるのではなく、その大半が速やかにその他すべての承認済みのノードと適格ユーザーに分配され、システムの抜け穴を利用して金儲けしようとする者の動機を完全に取り除きます。」

我々が出資した金銭は大学によって運用されるべきであるというCamp氏の考えは非常に興味深い。知識の世界には権力が集中し、金融政策を決定する権利が与えられ、それゆえに彼らが絶対的な権力を有していることはほぼ間違いない。

このシステムがどのようにETHおよびETH Classic あるいはBitcoinおよびBitcoin Cashのように分岐するのか、我々には予見することができないのだからなおさらだ。しかしEcoは多くの暗号通貨の中の1つにすぎない。したがって自由な世界における自由市場では、人々はEcoを使うか、あるいはパーミッションレスやオープンブロックチェーンを使うか選択することができるだろう。

「Ecoは、リソース分配のバランス化を目指し、プラットフォームによって生成された経済的価値の大半が、Eco.comで創出された口座を介し、コミュニティに公平に分配されるようにします。」

「Eco.comで創出された口座」が何を指すのかよくわからない。もしそれが、我々が思っているもの、つまりWebサイトを介してサインアップする銀行口座を指すのならば、残りのすべてのことにおける意義を見出すのは難しい。

分散型ブロックチェーンにより、管理者側によるデータ操作が不可能になり、高い安全性が確保されることに間違いはない。しかしここでは、スマートコントラクトの導入方法がまったく見えない。スマートコントラクトを導入しなければ、同社は相当な数のイノベーションのチャンスを失うことになるだろう。

これはコーポレートコインである。ブロックチェーンにおけるAOL、あるいはインターネットにおけるFacebookである。自由市場を通じて蓄えられ、公に対する説明責任 を持たない、集権化された、暴騰するかもしれないお金である。

しかしデザインの変更は可能である。例えばオンライン口座の代わりに、ネットワークに接続するSPVウォレットを提供することができる。しかしそうなると同社がコントロールすることができる範囲は狭まるだろう。

この設定において Proof of Work が選択されたこと自体、この広いスペースに関する知識の欠如を示している。その証拠に、キャンプ氏は2017年5月にBitcoinを買っているが、それ以外の積極的な活動は見当たらない。

各ラウンドでノードをランダムに選択するProof of Authorityの設定の方が、おそらく安全性は高いだろう。なぜなら1つのノード上の1人のハッカーがもたらすことができるダメージが限られるからだ。さらに安全な設定はコインを持っているProof of Stakeだろう。

この知識不足は、この提案におけるイノベーションの完全な欠如を示している。このブロックチェーンのようなものは一見すると素晴らしいアイデアであると思われるかもしれない。しかしここで本記事のオンライン銀行口座に関する部分を読み返してもらいたい。

また、大学やその他の教育機関が、「現在、大規模な公的機関で採用されているプロセス」を謳ったガバナンスモデルにより、eco.comに拘束されたいと思う理由は、もちろん謎である。

同氏が大学における(複数の管理主体により共同で運用される)コンソーシアムコインのようなものを作りたいのなら、我々は、オンラインでログインする銀行口座を一切必要とせずに、ノードをパーミッションドの状態に維持しながら、それをある程度までオープンで分散化された状態に維持することができる多くの方法を思い浮かべることができる。

とはいえ、そこにはコーポレートコインという唯一のイノベーションがある。このイノベーションは有望である。

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